「ラビ。」
「んー?」


ぺらり、と私が読めない文字で書いてある(ドイツ語だと思う)本のページを捲って彼は続きを読む。
目の前にいる。それだけが本当に嬉しくて。
彼の名前をもう1度呼ぶと視線は本のページに向いたまま声が返ってきた。


「ううん、何でもないよ。」


「ただ呼びたかったから呼んだだけ。」と付け加えて側に置いてあったクッションに顔を埋めて彼の表情をうかがう。
一瞬きょとん、としたかと思うとすぐふっと微笑んで彼は私と視線を交えて言った。


「何さソレ。」


そんな彼の笑顔が愛しくて。
二人でいる、この空間が大好きで堪らなくて。


「ラビ。」
「何?」
「、大好き。」









れんばかりのこの気持ち 


 


たくさん届けた


(直後、私の上に影が覆いかぶさった)







ハッピーバレンタインデイ!

2006.2.18